「近所の女の子がさー、なんかある気分屋のネコが好きみたいなのよ。」
叔母さんの家で雑誌を読んでくつろいでいるとき唐突に叔母さんが口を開いた。
「…なんですか突然。っていうかネコは気分屋なものではありませんか。」
雑誌を読んでいたので引き続き読みながら受け答えする。
彼女もテレビを見たまま世間話程度に話しているみたいなので問題ないだろう。
「そのネコも女の子のこと好きみたいなんだけどさー。そのネコいつもふらふら歩きまわってるし誰にでも態度変わらないし女の子としては不安みたいなのよね。どう思う?」
「それはその女性もなかなか大変ですね。じゃあそのネコに首輪でもつけてみたらいいんじゃないですかね?」
思ったままに答えると叔母さんは少し考えたあと言った。
「そうね、今度その女の子に会ったら言っておくわー」
どうやら現実の話だったらしい。
まぁ自分には関係ないだろうと思って雑誌のページをめくった。
彼女が冗談交じりでGTから首輪を持ち帰ったのは次の日のことだった。